学び散歩道

まなびの記録ノート

なぜよいものが売れないのか。

私はずっと不思議に思っていた。 なぜよいものが売れない、知れ渡っていないのだろうか。

そんな疑問の回答のひとつがこの本に書かれていた。

本『99.9%成功するしかけ キシリトールブームを生み出したすごいビジネスモデル 単行本(ソフトカバー) –』

キシリトールは今では誰もが知っている言葉で ガムには当たり前に入っており、虫歯予防がセットで知らせている。

今の状況を考えれば、あることが当たり前だったが、こうなるまでにはいくつかの障害があった。

  • 日本では医療目的でのみキシリトールはみとめられており、食品目的では許可されていなかった
  • 歯医者にとって虫歯を治す場所なのに虫歯予防となると敵視されてしまう
  • 薬事法の縛りでパッケージに虫歯予防をかけない
  • そもそも他の商品より高くなってしまう商品を買うのか などがあった。

これに対して以下のようなポイントで行動を起こしている。

BtoBtoC 素材メーカーだからといって取引先の企業相手のみ商売するのではなく、消費者に届くまでの過程を一緒に追うというエピソードが書かれていた。最終的に届くカスタマーまで見据えてビジネスを考える視点があった。

またどのようにキシリトールが日常にある状況を作るかについてのストーリーづくりが巧妙である。 たとえば歯医者に対してはまず虫歯予防に注目し、共感を得やすい先生の心をつかみ、会社とは別に組織を作っている。 専門家からのお墨付きを作り、口コミ効果やメディアを巧みに使ったアピールを実践している。

Win-Winという言葉でがあるがこの本のなかではマルチWinマーケティングと名付けている。 各ステークホルダーにとって徳な状態を作り上げている。 たとえばもともと虫歯になってから歯医者にくるというマーケットの小ささを虫歯予防を広めることで、10%程度だったターゲット層を定期的かつ層を増やせることをアプローチし、WinWinの状態をつくっている。

またキシリトールが生活の一部に存在するように『ブーム』を作っている。 単発的なブームではすぐに終わってしまうので、話題性、社会性を保つためにカテゴリーを生み出すようにしており、持ち歩くガムからボトルのガムを家や職場に起き、ガムを気軽に食べるようなデザインがされている。 あることが当たり前となるように導入ハードルを減らしながら流通させている。

上記の戦略に加えて、国からの承認を5年まで待ち続けた信じて、対応し続けていた部分だけは粘り度良さなどのモチベーション的なものを感じざるは追えなかったけれども。。

このように通してみると、どんなにいいものであっても どのように対象となるカスタマーに届けることができるか 巧妙な戦略が必要であり、戦略なしではいいものも市場にでていかないことが すごく理解された。

興味を持ったひとはぜひ読んでみてほしい。